2014年6月21日

美しき帽子



先日のこと。

ある御方より「お店を開いたのでいらして下さい」

というお話がありました。

御方は年齢を重ねるごとに『人』や『世』というものの存在や意義について何かを感じとられており、伺っていると感覚的に何かを悟り得たようなご様子でした。

小さなお店はアーティストのクラフトなどを中心に取り扱うお店なのですが、広く一般に知ってもらいたい、というものではなく。

むしろ、口伝えで客人を招き入れたいという考えのお店です。

品物を取り扱ってはおりますが、それを通じて客人とのコミュニケーションを楽しむ接点を目指しているのではないかと思われます。まだ屋号もなく、とりたてて付けたいといったふうでもない不思議な雰囲気でした。

そして。

話を進めながら、目が覚めるほどに薫りに品のある紅茶を楽しんでいると、面白いものがあります。

とのこと。

大きな白い箱から現れたそれは、とても美しい帽子でした。


今はなき、帽子のデザイナー平田暁夫氏の作品。

平田氏は今年の3月に永眠されてしまいましたが、作品には心が宿ったまま。


平田氏の帽子を拝見すると鳥肌が立つくらいの『美』を感じました。

トップは、まるで麦わら帽子のような自然の優しさと表情があり、つばの表はそれとは対極に金属感のある生地でモダンな仕上がり。

もはや帽子の形をした芸術品といったほうが正しいと思います。

じっと見つめているだけで、本当に美しいと感じる作品でした。。。


2 件のコメント:

けんちゃん さんのコメント...

このところ、やるべきことが多くてコメント出来ずで申し訳ない。

平田氏の残されたシャッポは素晴らしいと思ってね。自身お気付きかもしれないが、殆ど無帽の写真がないと思う。帽子はトレードマークでもあり、失礼かもしれないが女性の化粧のようにも思っている。

素敵なデザイン、そして他界されたのは残念だけど、生きた証しを残して人々に共感させることが出来るのは素晴らしい痕跡だと思う。

自身がどんなこと出来たかと振り返ると無形は『今迄のツーリングなどの思い出。』有形は『フェンダーレス』^^;

これで良かったのかな、利益など無いが皆を笑顔にすることが出来ただけでも社会貢献出来たのかな。

ものづくりに携わる者として、平田氏は良いもの残せたなと思うよ。

西山武志 (TAKESHI NISHIYAMA) さんのコメント...

けんちゃん さま

先日のメガリツーリングお疲れ様でした。

いつもと変わることなく、すごく楽しかったですよ。
思い出に残る貴重な時間をありがとうございました。

これまでに「けんちゃん」が主催してきたツーリングやメガリのフェンダーレスには、関わった人たちが「すごいなぁ」といった尊敬する気持や努力の温もりを何らかの形で感じているし、十分すぎるほどの社会貢献だと思います。

そのいっぽうで、何事も続けるというのは体力や精神力の大きな消耗にも繋がるので、けんちゃんのお身体と気が休まるように「夜更かし禁止の方向で」と、願っているのは私だけではないと思います。


ですので、どうか御無理のなきように…f(・ω・;)

そして。

この歳になると人生のターニングポイント故でしょうか、物事とは物質的なありがたさだけではなく、それを造った人の精神に美を見いだすことが多くなりますね。

平田氏が帽子のデザインに捧げた人生は、後に続く作り手にとって希望という名の道ができたのだと思います。これは芸術に関わるものとして、また人として何かを残したいと思う動機です。

まだまだやることがいっぱいありそうですが、それを終えたらステッキと帽子が似合う紳士でありたいものですね。